ゴールデンクロス・デッドクロスだけじゃない使い方
この記事は「クロスで売買」から一歩進んで、再現性のある使い方を体系化します。
すぐ試せる戦略テンプレと検証の型も配布。
TL;DR(要約)
- クロスだけではレンジでダマシが多い。
- **傾き・乖離・位置関係(多時間軸)**の3要素を組み合わせると精度が上がる。
- MAは「動的な支持抵抗」「トレイリングストップ」「レジーム判定」として使うのが実務的。
1. MAの前提:どの種類を使う?
- SMA(単純)…ノイズ少なめ、遅いが安定
- EMA(指数)…反応が速い、短期の押し目/戻りに向く
- WMA/HMA…さらに応答性を高めたい時
- VWAP/アンカードVWAP…出来高加重。**起点(イベント日/年初)**を意図的に置ける
迷ったら:短期EMA20・中期EMA50・長期SMA200の3本から。
2. レジーム(相場の“状態”)をMAで判定
判定ルール(保存版)
- トレンド相場:
- 価格 > EMA20 > EMA50(上昇)/逆順(下降)
- 長期SMA200の傾きが上向き(下降なら下向き)
- レンジ相場:
- 価格がSMA200の上下を往復
- ボラ縮小(BB幅やATRが低下)
レジームを先に決めると、採用する戦略が自動で決まる(後述)。
3. MAの“3大実務用途”
3-1. 動的サポレジ(押し目/戻りの型)
- 使う:EMA20/50
- ルール:
- レジーム=トレンド(上)
- 価格がEMA20〜50に到達→反発確定(確定足)
- エントリー=反発足の高値越え(買い)
- SL=反発元の下(直近スイング外)
- TP=直近高値→等幅 or 1.5〜2R
備考:EMA20の一発反発は勢いが強いとき、EMA50は深い押しに向く。
3-2. トレイリングストップ(利益を逃さない)
- 使う:EMA20(短期)またはSMA50(中期)
- ルール:利確は分割し、残りは終値がMAを実体割れしたら手仕舞い。
- 効果:利を伸ばす局面で強い。ボラが落ちたら早めに利確へ切替。
3-3. レジーム・フィルター(ダマシ回避)
- 使う:SMA200の傾き+価格位置
- ルール:
- 傾きが上で価格が上 → 買い戦略のみ許可
- 傾きが下で価格が下 → 売り戦略のみ許可
- それ以外(レンジ) → 逆張り/バンド回帰へ切替
4. クロスを“質”で選別する(ダマシを減らす)
4-1. 角度・距離フィルター
- 条件:クロス発生時、SMA200の傾きが±○°以上
- 補助:**短期と長期の価格乖離(%)**が一定以上 → 勢いあり
4-2. 多時間軸の整合
- 例:1HでGC(ゴールデンCross)が出たら、4HのMA配列が上向きのときだけ採用。
4-3. 出来高/ボラの同時確認
- 出来高増 or ATR上昇を伴ったクロスのみエントリー。
5. レンジで使う「平均回帰(Mean Reversion)」
ZスコアMA(ざっくり式)
- Z = (価格 − SMA20) / (価格の標準偏差20)
- 買い:Z ≤ −2 で陰線終了→反発確認
- 売り:Z ≥ +2 で陽線終了→反落確認
- SL:極値の外/TP:SMA20回帰 or ±1σで分割
BB(ボリンジャー)でも代用可。レジーム=レンジの時のみ稼働。
6. 3つの戦略テンプレ
A. 順張り・押し目買い(EMA20/50)
相場:トレンド(上)判定
条件:価格がEMA20〜50で反発(確定足)
入場:反発足の高値越え
SL :反発元のスイング安値の外
TP :直近高値→等幅/1.5〜2R(分割利確+建値繰上げ)
フィルター:SMA200↑、1Hと4Hの配列一致
B. ブレイク&リテスト(MA束の上抜け)
相場:上昇転換初期
条件:価格がMAリボン(EMA20/50/100)をまとめて上抜き
入場:上抜き後の最初の押し(MA束上面で止まる)
SL :束の下に数pips
TP :前回レンジ上限→次の節目
補助:出来高/ATRの増加を伴う
C. レンジ回帰(SMA20回帰)
相場:レンジ判定
条件:価格が±2σ(BB)に到達し、ヒゲで止まる
入場:反転確定足で逆張り
SL :±2σの外/直近極値
TP :SMA20→対側半分
注意:指標直後は稼働停止
7. 数量とリスク管理(負けを小さく)
- 1%ルール:1回の損失=口座残高の1%以内
- 数量=許容損失 ÷(損切りpips × 1pip価値)
- キルスイッチ:−3R/日、−8R/週で停止
- 時間ストップ:想定パターン不成立で撤退(例:入場後3本)
8. よくある失敗 → 回避策
- 失敗:クロスだけでエントリー → 回避:SMA200の傾き&価格位置を必ず確認
- 失敗:MA到達“だけ”で逆張り → 回避:反発の確定足+直近構造のBOS確認
- 失敗:レンジで順張り連打 → 回避:レジーム切替(平均回帰へ)
9. 検証テンプレ(表にして使う)
銘柄/時間足:
レジーム判定:トレンド/レンジ(根拠)
セットアップ:A/B/C(スクショリンク)
入場条件:満たした/満たさず(内容)
SL/TP:価格・R
結果:+/− R、最大含み損益
学び:次回やめる/続ける(1行)
最低30〜100トレードで期待値を確認(勝率・平均R・最大DD・PF)。
10. 迷ったらこの順番(チェックリスト)
□ SMA200の傾きと価格位置でレジーム判定
□ 使うMA:短期EMA20/中期EMA50/長期SMA200
□ 戦略A/B/Cのどれを使う?(1つに絞る)
□ 入場は「抜け→戻り→再始動」or 反発確定足
□ 1%ルールで数量計算/OCOでSL・TP先置き
まとめ
- MAは「クロスで売買」よりも、レジーム判定/押し目・戻り/トレイリングで真価を発揮。
- 傾き・乖離・多時間軸の組み合わせがダマシを減らす鍵。
- テンプレをそのまま検証→微調整で、あなた用の“勝ち筋”に育ちます。
免責
本記事は情報提供であり、投資助言ではありません。取引は自己責任でお願いします。
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